なまけものブログ

名古屋に巣食うナマケモノ理系大学生のブログ。

みんながオススメする香水が合わない! なぜじゃっ!

「この香水、ほんとに金木犀の香りするよ!」ってレビューをたくさん見て買った香水。試してみるとなんか違う?

そんな経験をした人も多いはず。開発者さんが天然の花や木の香りにそっくりになるように作ってできたコロンのはずなのに…

これを読めば、みんなが「そっくりだよ!」ってオススメする香水が自分になぜか合わないときがある理由がわかると思います!

 まず、人工香料は天然の素材が放つ香りに似るように物質を選んで配合したものですが、その「似る」というのは開発者さんの嗅覚にとって、ということが大事です。

 

同じ「黄色」を見ていても人の感じる色は実はみんな微妙に異なるのはご存知ですね。みえている色は全員微妙に異なっている、でも色の名前としてはみんな黄色と認識しているわけです。それは匂いの感じ方にも同じことが言えます。

金木犀を嗅いでいて感じる香りは実は十人十色。しかし「金木犀」という言葉と植物のイメージにそれぞれの感じる香りが結びついているから、みんな感じている香りは違うのに、みんな金木犀を嗅いだときに「金木犀の香り」と感じることができるわけです。

 

対して、人工香料は、開発者が似せたい対象の天然素材の飛散物質を鼻で感じたときの香りに近づくように作られています。つまり金木犀の放つ香りに似せているのではなく、ある人が金木犀を嗅いだときに感じる匂いを再現しているのです。ですので、再現しようと用いている物質は、開発者以外にとっては、金木犀のイメージと結び付けられていないただの物質なので、確かにいい匂いはするけど「金木犀ではない!」と感じることがあるのです。開発者さんと似た嗅覚を持っていればいるほど良いということになりますが、それも嗅ぐ物質によって同じように感じるかは異なります。

ですので、このメーカーのこの香水は合うけど、こっちは合わないということが起こるのです。

 

だから、高いフレグランスは皆が記憶と結びついている香りを感じられるように、天然素材をふんだんに使用していたりします。これなら「匂いが違う!」と文句の言いようもないですからね。100%精油などもそうです。そのかわり空気酸化が早かったり、原材料費が高かったりで、そういう天然素材をふんだんに使用したフレグランスは高くなります。

 

以上、みんなが似てる!とオススメする香水でも、自分には似てるとは思えない、ことがある理由でした。

やっぱり嗅覚や味覚は、視覚とは違い実際に試してみないとわからないので、実店舗に行ってみるに限りますよね…